顔面麻痺の良導絡治療



障害の原因は、

顔面麻痺の頭蓋内の原因としては腫瘍や血管障害などがあるが、5%弱であり、ほとんどが末梢顔面麻痺である。末梢顔面麻痺には、突発性の麻痺(ベル麻痺)と続発性の麻痺(ハント症候群・耳や乳様突起の障害など)がある。ベル麻痺は、末梢顔面麻痺の80%を占める。臨床でよく遭遇する末梢顔面麻痺に良導絡治療は著効がある。

顔面麻痺は、障害部位によって橋部にある顔面神経核より中枢側と核より末梢側での障害に分けられる。鍼灸治療適応となる末梢性の場合は、顔面全体の運動が同程度の障害でBell麻痺70-80%・Ramsay Hunt症候群10%・外傷・耳性などである。障害の原因としては、脳神経の中では骨内走行が最も長いこと、炎症性病変発生頻度が高い耳の近傍を通過すること、神経束の周囲に結合織が乏しいなどが原因と言われている。

東洋医学西洋医学の違い
中医では、「口眼歪斜(こうがんわいしゃ)という。「風邪外襲」「肝風内動」「肝気鬱血」「気血両虚」「風痰阻絡」などにより発症するとされている。気血両虚以外は陽明経の異常によって麻痺が起こるとされる。気血両虚は顔面の肌肉が栄養されないことによるものと解されている。

 一方、西洋医学では、顔面神経が顔面神経管内で圧迫されることによる。Compression Neuropathyがこの病態の主体をなしていると考え、顔面神経管内の神経浮腫を軽減させる管内圧を低下させるステロイドが用いられている。また、ストレスにより交感神経系の緊張が血管攣縮を引き起こし虚血が生じることが原因の一つと考えられている。予後は、約75-80%が数週間以内で治ることが知られている。外見的・美容上の問題が大きく、良導絡治療が優れた効果を発揮する。

良導絡治療は
東西両医学の接合・融合・相補を志す良導絡治療の効果は、血液循環の促進や浮腫の改善、内分泌ホルモンの分泌による精神安定作用、低周波通電による麻痺筋群を他動的に動かすリハビリ効果も期待でき、電気刺激が麻痺を起こした筋群、神経を活性化するなどが考えられる。
大阪医科大学麻酔科外来統計1060名対象では♂47%♀53%、年齢別では、50才18%、40才40%、60才15%著効有効やや有効が全体の72%、治療回数1〜29回と報告がある。

【症例】A・S ♀ 46才 左顔面麻痺

初診時所見:昨年12月息子の受験や他のストレスと過労から発症。末梢性顔面麻痺中程度と診断。2週間入院ステロイド・星状神経ブロック10回・ビタミン剤血流促進剤服用。閉眼と頬が膨らませない、イ-と歯を見せることが不能、味覚傷害、口をヘの字に曲げ唇が非対称になるなどの症状がある。怒りっぽい、頭痛、不眠、舌紅がみられストレスから肝気が欝し火と化す気火上逆、肝気欝結と思われる。良導絡チャ-ト上ではH・Fの二層性が著明であった。

治療全良導絡調整療法の他、顔面部と精神安定のツボに電気鍼治療の結果、味覚傷害は2診目で消失。良導絡チャ-トの平均値上昇とF系の抑制が改善し、漱口漏水・眼瞼閉合不全の症状改善がみられた。

【症例】S・S ♂ 51才 左顔面麻痺

初診時所見: 1年前から広島へ単身赴任、4月に風邪をひいてから左顔面麻痺、ウィルス感染の疑いで精査入院2週間、高酸素療法とステロイド服用後全身に薬疹。ステロイドを中止したら全身がだるいと来院。眩暈、無気力、疲労倦怠、心悸、不眠、舌淡から気血両虚と思われる。閉眼と頬が膨らませない、味噌汁が口から漏れる、額のシワ消失などから末梢性顔面麻痺と思われる。

良導絡チャートではH5(リンパ良導絡)、H6(大腸良導絡)、F2(肝良導絡)、F6(胃良導絡)の興奮、F1(脾良導絡)、F3(腎良導絡)、F5(胆良導絡)の抑制が著明であった。

治療全良導絡調整療法の他に中谷眼科AB点、に顔面部電気鍼治療の結果、5診目に良導絡チャ-トが改善し、漱口漏水・眼瞼閉合不全の症状改善がみられた。



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